世界最高齢の現役女性理容師、箱石シツイさん(栃木県那珂川町)が109歳で死去。
19歳で理容師免許を取得し、夫の戦死後は女手ひとつで2人の子を育てながら70年以上店を守り続け、
2025年にギネス世界記録に認定されていた。
先週、ひとつの訃報が理美容業界を静かに揺らしました。栃木県那珂川町で70年以上にわたって理容店を営んでこられた箱石シツイさんが、109歳で亡くなられたというニュースです。19歳で理容師の免許を取り、戦争で夫を亡くしてからは女手ひとつで二人のお子さんを育てながら、鋏を握り続けてこられたといいます。2025年には「世界最高齢の現役女性理容師」としてギネス世界記録にも認定されました。
このニュースを読んだとき、正直なところ、胸が詰まる思いがしました。
私たちが日々向き合っている「一人のお客様の髪を切る」という仕事は、時代がどれだけ変わっても本質的には変わらないのだと、改めて突きつけられた気がしたからです。
SNSでの集客、予約システムのDX化、美容機器の進化――この業界は日々目まぐるしく変化していますが、
箱石さんが70年間守り続けてきたのは、きっとそうした技術や仕組みの話ではなく、
「目の前の一人と丁寧に向き合う」というただそれだけのことだったのではないでしょうか。
認定当時のインタビューで箱石さんは「皆さまのおかげです」と語っていたそうです。
この言葉が、なんとも言えず重く響きます。何十年もお店に通ってくれるお客様がいて、
その関係性の積み重ねの先に「一生現役」という生き方があったのだと思うと、
私たちが日々のお客様と交わしている何気ない会話や、
リピートしてくださることへの感謝の気持ちも、決して当たり前のものではないのだと気づかされます。
今、私たちの業界は人手不足や後継者問題、
働き方の多様化など、さまざまな課題を抱えています。
効率化やビジネスとしての最適化はもちろん大切です。
けれど箱石さんのニュースに触れて、改めて「なぜこの仕事を選んだのか」「誰のために鋏を握っているのか」という原点に、少し立ち止まって向き合ってみたいと思いました。
私も以前数回、お仕事でお店にお邪魔させてもらって、
箱石さんの暖かさに直接触れました。
この思い出はディーラーとして、宝物です。
ご冥福をお祈りするとともに、箱石さんが遺してくださった「一生現役」という生き方から、
これからも学び続けたいと思います。
長い間、お疲れさまでした。大変、お世話になりました。






